『黒部の太陽(ノーカット完全版)』観てきました
公開日:
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最終更新日:2013/09/03
映画
2012年12月8日(土)に一ツ橋ホールで上映された、石原裕次郎主演『黒部の太陽』のノーカット完全版を観賞してきました。
貴重なノーカット版の上映会
石原裕次郎さんが「こういった作品は映画館の大迫力の画面・音声で見て欲しい」と言い残していたということで、有名な映画であるにもかかわらず、未だにVHS化、DVD化もされておらず、テレビでの放映も数えるほど(しかも短縮版)、かといって、最近は映画館でも上映されないので、幻の映画とされています。
あらすじですが、世紀の難工事、黒部ダム(黒四ダム)建設の苦闘と、重厚な人間ドラマが丹念に描かれた作品。最大の難工事「関電トンネル」の貫通がクライマックスとなってなっています。
原作は実録の小説で、毎日新聞記者の木本正次さんが毎日新聞連載小説として発表した同名小説『黒部の太陽』で、同様のテーマですが、映画版は娯楽作品でもありますので、北川黒四建設事務所・次長(三船敏郎)の長女の結婚相手が熊谷組岩岡班の岩岡(石原裕次郎)となっているなど、人間ドラマ部分を分厚くしてあります。
三船プロダクション、石原プロモーションの共同製作。観客動員数730万人とのこと。
当時としてはめちゃくちゃスケールのでっかい映画
当時の映画制作費は通常1本3,600万し円程度だったのに対し、『黒部の太陽』では、メインシーンであるトンネルのセットを実際の関電トンネルの工事を担当した熊谷組が同社敷地内に再現し、その費用だけでも2億円!もしたという、ものすごい力の入れよう。石原裕次郎自身も五社協定など、様々な障害を乗り越える為、相当の苦労・借金をされたようですね。
実際に映像を観ても、CGなど一切使っていない、今見ても遜色ない、「本気」の映像がみれます。大規模なトンネルセットでドバドバと水を大量に流しているシーンが随所にあり、圧巻です。よくこんなもん作ったなぁ~と正直思います。
中身も重厚で大満足の映画
なんで今まで観る機会がなかったんだろう(幻の映画なんで当然ですが)っていう、重厚な人間ドラマ。
主役である石原裕次郎が演じる岩岡の父親との確執、その父の工事を引き継ぐことになり、工夫達と揉めながらも難工事に向きあう姿、また北川次長の娘との恋愛。娘の難病を知りながらも難工事の進行・調整に苦労する三船敏郎演じる北川次長。そんな二人の周りでも様々なサブストーリーが起きます。それから工事に従事する工夫たちの男クサイ活躍。一部終了間際(長編過ぎて間に休憩が入ります笑)のトンネル内大洪水は、すごい迫力。
そしてなんといってもトンネルが貫通するシーンとその後に続く、お祭り騒ぎは感動の嵐。
こんないい映画、40年以上も前の映画だけど、いまの映画好きな人たちにもぜひ見てもらいたいですね。
映画館で観るチャンス。あと1回あります
公式サイト『裕次郎の夢 全国縦断チャリティ上映会』によると、あと1回、東京近郊で年内に観るチャンスがあります。
◆東京都中野区
第25回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞「前夜祭記念上映会」にてフィナーレ!
日時: 2012年12月27日(木) 会場: なかのZERO 上映: 「黒部の太陽」 14:00開場/15:00開演/18:30終演 チケット販売: 全国のファミリーマート(イープラス)にて発売中!
※前売り券:2000円(税込)。別途、発券手数料発生の場合がございます。
ファミリーマートの機械で「ユウジロウ」で検索とのこと。
イープラスサイトだとこれですね『前夜祭記念上映会「黒部の太陽」 第25回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎』
ぜひ原作を読んでから観に行きましょう
時代背景的な事もあり、また工事の成り行き上、否応なく必要なシーン(シールド工法用のシールド制作を熊谷組が引き受けるシーン)など、原作を読んでいないと、分かりづらいシーンが結構あります。特に生まれた頃にはすでに黒四が存在しているという我々世代には分からないことも多いかと思うので、ぜひ原作を読んで予備知識をつけた方が数倍楽しめます。
フジテレビ開局50周年記念ドラマに合わせた『新装版黒部の太陽』は大きな本屋さんでも見つかる場合がありますが、文庫版『黒部の太陽』はアマゾンで見つけた方が早いです。
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